<「わが国の核抑止力は他の核保有国より高いレベル」だと胸を張るロシアのプーチン大統領。「ブレベスニク」ミサイルについても「他国にはない、他に類を見ない兵器」とした:木村正人>
[ロンドン発]ウラジーミル・プーチン露大統領は10月26日、ロシア軍参謀本部を訪れ、ワレリー・ゲラシモフ参謀総長らと会談。その際、戦略攻撃部隊の年次総合演習における陸海空の戦略核戦力すべてを投入した戦闘訓練発射、先進兵器システム試験に言及した。
プレセツク宇宙基地から地上発射型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「RS-24 ヤルス」、バレンツ海の原潜から潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「R-29RMU シネヴァ」、戦略爆撃機から核搭載可能なKh-102長距離空中発射巡航ミサイル2発の実弾発射訓練を実施した。
ゲラシモフが「戦略核戦力訓練のすべての目標を達成した」と報告すると、プーチンは「わが国の核抑止力の近代性は最高レベルにある。他のすべての核保有国よりも高いレベルにある」と原子力推進式巡航ミサイル「ブレベスニク」の試験について報告を求めた。
「原子力推進を使用し、約15時間飛行した」
プーチンは「ブレベスニクは他国にはない、他に類を見ない兵器だ。専門家でさえ開発目標は立派だが、近い将来には達成不可能と予測した。しかし今、決定的な試験が完了した。実戦配備するにはまだ相当な作業が必要だが、主要な目標は達成された」と自信をみなぎらせた。
ゲラシモフは「試験は10月21日に実施された。以前の試験とは異なり今回は数時間にわたる飛行が行われ、ミサイルは1万4000キロメートル飛行した。これは限界ではない。原子力推進を使用しており、約15時間飛行した」と説明した。
ゲラシモフの説明では、ブレベスニクの技術的特性はどんな射程距離でも高度に防御された目標に確実に命中させられることだという。試験飛行中、ブレベスニクはミサイル防衛システムや防空システムを回避する高い能力を示したと強調した。

