老後の生活費はなるべく多く確保したいもの。73歳現役FPの浦上登さんは「これまでは65歳から年金を受給すると、会社員や職員として働いている場合、年金がカットされることがネックだったが、2026年4月からその年収上限が引き上げられる」という――。
2026年4月、在職老齢年金が制度変更
65歳を目の前にした人に朗報がある。
来年2026年4月から65歳以上でサラリーマンとして働いている人の在職老齢年金のカットのルールが変わるのだ。
年金受給資格者が給与をもらいながら働いていると在職老齢年金の支給停止というルールに引っかかり、年金がカットされる可能性がある。もらった給与収入が一定の限度を超えるとカットされるが、その限度額が来年の4月から大幅に引き上げられるのだ。
だから、65歳を超えてかなりの給与をもらっても年金をカットされることがなくなる。
年金の話はややこしいので、まずその前提から説明したい。
1) 在職老齢年金のカット(支給停止)の対象となるのは、老齢厚生年金で、老齢基礎年金はいくら給料をもらってもカットされない。
2) 2025年度は、年金基本月額と給与総報酬月額相当額の合計が51万円を超えると年金の一部が支給停止になった。2026年度からはそれが62万円とへ大幅に上昇する。
給与年収632万円以下なら年金が減らない
その変化を給与と年金で対比させたのが図表1(次のページ)だ。これを見ると老齢厚生年金(報酬比例部分)が112万円(老齢厚生年金の受給者の平均)の人の場合、2026年4月からは給与収入が年632万円以下であれば、年金はカットされることがない。この限度までならば、安心して働けるということだ。
今年(2025年度)までは年収500万円を超えると年金の一部カットを心配しなければならなかったのと比べると132万円もの差があり、大きな改善ということができる。政府は65歳を超えても働いてほしいと思っているので、このような改訂を行ったのだ。

