健康診断で「尿酸値」が引っ掛かっても「特になんともない」と放置していないだろうか。腎不全に心疾患、脳卒中など恐ろしい合併症のリスクが高まる高尿酸血症について「自力で尿酸値を下げる方法」を聞いた。

症状が出てからでは遅い「痛風」の恐ろしさ

「風が当たるだけで痛い」と表現されるほど激痛を伴う病、それが「痛風」です。痛風患者は現在、国内で約125万人超とされていますが、痛風の予備軍といえる高尿酸血症の患者数は1000万人を超えるといわれています。

それなのに、健康診断で尿酸値の項目で引っ掛かっても、多くの人は症状が出ていないため、治療せずに放置しがちです。しかし高尿酸血症を放っておくと痛風のほかにも、腎臓の働きが著しく低下する慢性腎臓病や腎不全、脳卒中などの脳血管障害、心筋梗塞などの虚血性心疾患など、非常に重い合併症を招く恐れがあります。また痛風と同じく激痛で知られる尿路結石も、増えた尿酸が引き金となります。自覚症状がないからといって軽視していると、文字通りに痛いしっぺ返しを受けることになるでしょう。

高尿酸血症は、血液中にある尿酸の濃度(尿酸値)が7.0mg/dL(女性は6.0mg/dL)を超えた状態を指します。高尿酸血症が続くと、増えすぎた尿酸が針のような結晶となって体内(特に足の親指の関節部など)に溜まり、ある日突然激しい痛みを発します。これが痛風発作です。

原因の一つは生活習慣によるものです。具体的には「食べすぎ、飲みすぎ、肥満、運動不足、過剰な運動、ストレス」などが挙げられます。

もう一つが遺伝的な要因で、父親など近親者に高尿酸血症の人がいると発症リスクが高いとされています。高尿酸血症の患者は中高年の男性が多いイメージがありますが、近年は女性や若年層にも症状が見られるようになっています。女性だから、若いからといって油断は禁物です。

ラクに尿酸値を下げる「3つのコツ」とは

尿酸値が7.0mg/dLを超えてしまったけれども、できるだけ薬には頼りたくない……。そんな人が尿酸値を自力で下げるには、まずは「痩せる」ことが大前提となります。メタボリック症候群と高尿酸血症は密接に関係しているからです。

内臓脂肪が増加するとインスリンの働きが悪い状態(インスリン抵抗性)になるため、インスリンがどんどん分泌されるようになります。しかしインスリンには尿酸を再吸収する働きがあり、尿酸値も上がってしまうのです。

しかし、痩せても尿酸値がなかなか下がらない人もいます。その場合は尿酸の元となるプリン体の多い食材を避けること、お酒をできる限り控えることが尿酸値を下げるカギとなります。

尿酸はプリン体から作られます。プリン体は細胞の核に含まれるDNAなどの核酸の主成分で、7〜8割は体内で日常的に作られますが、あらゆる食品に含まれているので、食事によっても取り込まれます。

食事から摂取するプリン体の量は、一日400ミリグラム以下を目安にしてください。あまり厳格に制限しようとすると栄養バランスが崩れて免疫力が下がるので、健康的な食事に留意しながら規則正しく食べるよう心がけましょう。ただし、図表2にある「含有量300ミリグラム以上のプリン体が極めて多い食材」は避けたほうが無難です。

(構成=篠原克周)