自民党総裁選で高市早苗氏の“奈良のシカ”をめぐる発言が注目を集めている。ジャーナリストの須田慎一郎さんは「東京新聞などのマスコミが高市氏の発言を報じ、炎上した。高市候補に対して『排外主義者』といったレッテルを貼り、批判する意図が感じられる。これは報道ではなく、“言われなき中傷”に近い」という――。

※本稿は、須田慎一郎氏のYouTubeチャンネル「ただいま取材中」の一部を再編集したものです。

自民党総裁選に立候補し、所見発表演説する高市早苗前経済安全保障担当相=2025年9月22日、東京・永田町の同党本部[代表撮影]
写真=時事通信フォト
自民党総裁選に立候補し、所見発表演説する高市早苗前経済安全保障担当相=2025年9月22日、東京・永田町の同党本部[代表撮影]

高市氏の「鹿発言問題」が尾を引いている

一向に沈静化せず、収束の兆しが見えない「高市早苗 自民党総裁候補の“鹿発言”問題」について、徹底的に取材を行った。発端は9月22日、自民党総裁選の所見発表演説の場において、高市早苗候補が、地元奈良市の奈良公園で外国人による鹿への暴行の可能性を指摘したことである。

正確な発言内容を紹介すると、「奈良の鹿を足で蹴り上げる、殴って怖がらせる人もいる。外国から観光に来て、日本人が大切にしているものをわざと傷つけようとする人がいるとすれば、それは何かが行きすぎている」というものであった。

この発言に対し、いち早く反応したのが東京新聞である。

9月23日付の朝刊記事2面において、「奈良のシカ虐待、人物未特定なのに……高市、外国人と決めつけ」との見出しが掲載された。この見出しを読む限り、高市早苗候補に対して「排外主義者」といったレッテルを貼り、批判する意図が感じられる内容であった。