自分ではできないことをどう処理するのか
お子さんや配偶者のいない、いわゆる「おひとりさま」の中には「自分は長生きするつもりはないし、亡くなったら誰かが何とかしてくれるだろう」「どうせ、亡くなったら財産は国のものになるんだから」と相続対策を何もしない方がいます。
しかし、それでは周囲の人が困ってしまう可能性があります。たとえば、孤独死の発見が遅れた場合、異臭や害虫などの被害が発生したり、室内の片付けができなくて家主が困る……というケースが考えられます。
また、遺体の引き取りや室内の片付けで遠い親戚に連絡が行き、手間をかけさせてしまう場合もあります。
また、亡くなった方の遺産や遺品には第三者が勝手に手を付けることはできません。そのため、親族が全くいない方、もしくは親族が拒否した場合には、誰かが家庭裁判所に申し立てをして予納金を納め「相続財産清算人」(相続人がいない人の死後の手続きを行う人)を選んでもらう必要があります。
しかし、数カ月の公示を何度か行う必要があるため、手続きがすべて終わるまで1年以上はかかります。つまり、そう簡単には「財産は国のもの」にならないうえ、多くの人に手間をかけさせてしまうのです。自分なりに考えて準備をされる人もいますが、準備の仕方を間違えるとかえって困る事態になりかねません。
ですから、将来的に体が不自由になったり、判断力が低下した際にどうするのか。そして亡くなったとき、遺体引き取りや葬儀、納骨、部屋の片付け、役所の手続き、各種費用の精算などはどうするのか。こうした「自分自身ではできないことをどう処理するのか」ということを生前から考えておかなければなりません。
おひとりさまの中で注意が必要なのが、「親族はいるけれど、頼りたくない」というケースです。何か事情があるのでしょうが、医療行為への同意や身元保証など、親族がいれば親族に頼らざるをえないことがあるため、第三者にできることは限られています。
この場合、まずは親族の意向を確認し、第三者に依頼する旨の了解を得てから準備を進める必要があります。これをせずに第三者が依頼を受けてしまうと、援助の実行時に妨害されたり、受任者が誹謗中傷を受けるなどのトラブルが発生する可能性があります。
おひとりさま向け支援契約と遺言書
では、おひとりさまは終活でどのような準備を行っていくべきなのでしょうか。準備しておくべきものとして、図表1で紹介されている
①見守り契約
②財産管理等委任契約
③任意後見契約
④死後事務委任契約
⑤公正証書遺言
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