死亡直後の手続きは難しくない
親や兄弟姉妹、配偶者といった近親者が亡くなったとき、残された家族としては、故人を偲びたいのが人情でしょう。ところが、残念ながら遺族には悲しんでいる時間があまりありません。なぜなら、葬儀の手配をはじめ、役所へのさまざまな届け出、相続に関わる手続きを行わねばならないからです。
しかも、届け出や手続きの中には期限が定められ、遺族が怠ると、不利益を被るケースもあるので注意が必要です。とはいえ、手続きの流れを理解しておけば難しいものはありません。そこで、近親者の死後、遺族が「どんな届け出や手続きをしなければならないのか」を、時系列に沿ってご案内しましょう。
まず、近親者が亡くなったとき、家族はその人が亡くなった事実を証明する「死亡診断書」を、医師に書いてもらわなければなりません。近親者の死亡診断書は、「死亡届」と一緒に市区町村の役所に7日以内に提出することが義務付けられています。
死亡診断書をもらった際、忘れずにやっていただきたいことがあります。それは、死亡診断書の原本のコピーを、あらかじめ5枚ほどとっておくこと。死亡診断書は通常、1通しか書いてもらえないのですが、「年金受給停止」といった手続きや生命保険金の請求にも必要だからです。死亡診断書の原本を提出してしまった後、病院に行って再発行することもできますが、時間がかかるうえに、1枚数千円程度の「手数料」を取られてしまいます。
故人の「火葬許可申請書」も、死亡届と一緒に7日以内に市区町村に提出する必要があります。葬儀までに、「埋火葬許可証」を取得しておかないと、火葬場は遺体を受け入れてくれません。火葬場で遺体を荼毘に付したら、埋火葬許可証に「火葬済み」の印を押してもらい、納骨の準備にかかります。
もっとも、葬儀社に委任して葬儀を執り行う場合、死亡診断書や死亡届、火葬許可申請書などの手続きは、葬儀社が代行するケースがほとんどなので、手続きでの失敗を過度に心配する必要はありません。
手続きを簡単にする便利な「窓口」とは
「初七日」が過ぎても、遺族がやらなければならないことは山積しています。期限がすぐに到来する届け出について、ご紹介しましょう。
故人が世帯主だった場合、亡くなってから14日以内に、「世帯主変更届」を故人が住んでいた市区町村に提出しなければなりません。ただし、夫婦二人の世帯で夫が亡くなり、妻が残された場合などでは不要な場合もあるので、役所に確認してみてください。
市区町村に世帯主変更届を出すのであれば、故人の健康保険や介護保険の資格喪失手続きも、同時に行っておくといいでしょう。故人が国民健康保険に加入していた場合、死亡してから14日以内に市区町村への届け出が必要で、「国民健康保険資格喪失届」を提出するとともに、健康保険証を返納します。故人が75歳以上で、「後期高齢者医療制度」に加入していた場合も、同様の手続きが必要です。
なお、会社員が入る健康保険、公務員や私立学校教職員が入る共済組合に故人が加入していた場合、手続きは原則、事業主が行うことになるので、遺族は気にしなくてもいいでしょう。
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