仕事の相棒だったAIは、人生の相談役にもなる。人間関係、健康、お金……。人には言えない悩みも気兼ねなく打ち明けられる。遠慮なく本音をぶつければ人間以上の答えが見つかる。その具体的な方法を紹介する。

AIの力を引き出す3つのポイント

生成AIの実力を十分発揮させるには、人間がAIとのコミュニケーション能力を高める必要があります。そのために、いくつか重要な点があります。

コミュニケーションの第一歩となるのは、プロンプトの作成です。作成のコツは「端的に書く」「具体的に書く」「構造的に書く」の3点です。

「端的に」とは、「言葉はシンプルに、文章量は短く」ということです。上司が部下に指示を出すとき、言葉が多すぎるとわけがわからなくなってしまいますが、人間と同様に情報が多すぎるとAIは混乱してしまうのです。

「具体的に」というのは、数字やキーワードを入れることです。「今晩の夕食を考えて」といった漠然とした指示ではなく、「30分以内に作って。野菜中心でヘルシーという条件でレシピを5つ挙げて」というように、客観的・具体的な指示を出すということです。

「構造的に」は、「箇条書き」や「#」を使いながら、プロンプトの情報処理負荷を下げ、AIが理解しやすくすることです。「#」はAIが区切りとして理解しやすい記号で、これを使って項目ごとに区切ることがポイントです。

私たちは「#お願い」「#目的」「#情報」「#ルール」「#出力」の5項目について、それぞれ箇条書きで指示を行う「シンプルプロンプトフレーム」の利用を勧めています。自然に適切なプロンプトが書けるようになるまで、繰り返し練習するとよいでしょう。

次にAIとのコミュニケーションで重要なのは、思ったような回答が出てこなかった際の対応です。この場合、「そうじゃない」と修正の指示を出すよりも、いったん一からやり直したほうが、思い通りの結果を得やすくなります。AIはそれまでのやりとりを踏まえて回答するため、最初に見当違いの回答を出した場合、以降の回答もそれに引きずられる傾向があるからです。

このため、「新しいチャット(New Chat)ボタン」を押して(ChatGPTの場合)、やりとりを仕切り直すようにします。

注意すべき点は、「AIの回答をそのままアウトプットとして使わない」ことです。最後に責任を持つのは人間です。AIの回答は叩き台として、人間ならではのアイデアや見方を付け加えること。また間違いチェックも不可欠です。ハルシネーション(誤回答)も、まだゼロではないからです。

健康相談
数字を見てもよくわからない健康診断の結果表を見てもらうだけで、詳しい分析・解説はもちろん、生活習慣改善のアドバイス、運動の計画から、健康にいい食事のメニューまで、24時間、365日、いつでも相談できるのがメリットだ。

POINT
ここでは「健康診断を受けて診断結果を渡されたけれど、読んでもよくわからないので解説してもらいたい」というケースを使い、シンプルプロンプトフレームの書き方を紹介します。

最初に「#お願い」という項目を立て、AIに作業内容を伝えます。次に「#目的」として、なぜそのような指示を出したのか、目的と背景を伝えます。

続いて「#情報」として、作業の前提となる情報を伝えます。テキストで書く以外にファイルを添付したり、特定のサイトのURLを指定して読み込ませることができます。ここでは健康診断の結果表をスマホで写真に撮り、画像としてアップロードしました。AIは写真から文字を読み取ってくれるのです。また「#ルール」として、「初心者にもわかるように丁寧に解説すること」など、こちらが期待していることを伝え、「#出力」としてどのような形式で回答してほしいか伝えます。

【図表】健康診断結果の分析、生活習慣改善の提案の後、さらに「深掘り」で、1週間の献立作成も可能