40代50代のミドル世代が転職するときに気を付けることは何か。経営コンサルタントの日沖健さんは「中途採用の増加で、転職エージェントへ支払う手数料が重荷になっている会社は多い。そうした中では、転職エージェントに頼るだけでは良い転職ができない」という――。
「転職するなら30代まで」が常識ではなくなったワケ
2000年代初頭まで転職市場では、「転職するなら30代まで」と言われましたが、近年こうした年齢の壁はすっかりなくなりました。これは、次のような背景によるものです。
①リストラ・早期希望退職の増加
中高年層を対象にしたリストラや早期退職募集が増えている。会社からリストラされたり、会社の将来を悲観した中高年層が早期退職に応募したりして、転職するケースが増えた。
②キャリア意識の変化
新卒で入った会社に定年まで勤め上げるという昭和の価値観がなくなった。「自分らしく働く」「スキル・経験を活かす」「社会に貢献する」といった価値観が台頭し、中高年の転職意欲が高まっている。
③マネジャー層の補充・即戦力への期待
多くの企業が就職氷河期(1993~2004年頃)に採用を絞ったことから、現在マネジャー層が手薄になっている。近年の若手人材の採用難も相まって、即戦力の中高年を採用しようという意欲が高まっている。
他にも、転職による人材流動化を促す国の政策支援や転職を支援する民間の人材サービスの普及も、中高年の転職を後押ししています。
こうして、ひと昔前と比べて中高年の転職が格段に容易になり、年収が大幅にアップするというキャリアアップ型の転職が増えているようです。
とはいえ、転職して年収が激減してしまったり、これまで築いてきたキャリアが断絶してしまったりするという失敗ケースも多々あります。
一口に転職といっても、①リストラ・早期希望退職という場合と②のキャリアチェンジや③のキャリアアップを目指す場合とでは、状況や転職の目的が大きく異なります。
そこで、①の後ろ向きの転職と②③の前向きの転職に分けて考えてみましょう。

