大手シンクタンクが独自に町丁目単位での所得、資産額を推計した。有名高級住宅街から意外な「高資産エリア」まで、街の“お金持ち度”がひと目でわかる地図とともに紹介する。あなたが住む街は、いかがだろうか?

どの地域の所得水準が高いか、どの鉄道沿線に資産家が多いか。全国を対象に街の「お金持ち度」を表した推計がある。野村総合研究所の経営ITイノベーションセンターが昨年10月にまとめた「エリア別の金融資産推計結果」がそれだ。

そもそもこの推計は、エリアマーケティングの基礎情報として活用することを目的としたもの。所得・金融資産データが町丁目別に表され、さらに鉄道沿線別にランキングが付されている。

市区町村別に所得や金融資産を調べたデータは各種ある。しかし、町丁目までの詳細な単位での所得、金融資産のデータはなかった。

「推計ですから、実勢と多少のずれはありますが、ほぼそれに近いものが表せました。したがって、このデータから、A町とB町に住んでいる人ではどちらがどの程度お金持ちかといった相対的な“富裕層度”を読み取ることができます」と、これをまとめた事業開発室の副主任コンサルタント、伊藤慶史氏はいう。

既存の市区町村別より一般と細かい町丁目単位での所得・金融資産データがあれば、事業計画やマーケティングなどで、より緻密な戦略を組み立てていくのに役立てられる。一方でこのデータは、わが住む街の生活水準を知りたいときや、住みたい街を選ぶときの目安に使うこともできる。

調査結果のなかから、とくにおもしろい結果が出た東京・名古屋・大阪の三大都市圏の居住者の“懐具合”、またそこから読み取れる都市構造について、伊藤氏に聞いた。