METHOD 7 本気のNOは「ここぞ」という時だけ

実は成瀬氏も2人の子供を育てた経験がある。

「私の経験から言えば、いつも子供にNO(叱責)ばかり言っていると、それが子供にとってただ聞き流せばいいBGMになり、親が本当にNOと伝えたいときに、言うことを聞かなくなってしまうケースは少なくありませんよね。だから私は、本当に大切なときにだけ使っていました。」(成瀬氏)

METHOD 8 結果ではなく努力を褒める

ただ、それでも子供がすすんで勉強しないなど、勉強に対するモチベーションが上がらないときには、どうしても小言を言いたくなってしまう。

「私がかつて英語の家庭教師をしていたときに、英語に苦手意識を持っている小学生に対しては児童英検を受けることを目標とすることでモチベーションアップにつなげました。その際、日々、勉強した内容をノートに記録しました」

何の勉強にどれくらいの時間をかけたかなどの努力の蓄積が、目に見える形で残り、子供にとっての勲章になるそうだ。

「実は、モチベーションを上げるには結果だけを褒めるのは逆効果です。結果だけでなく、努力も褒めてあげてください。“やればできる子”という表現も避けた方がよいでしょう。いつもそう言われていると、どういう心理が働くか。“やればできる子として褒められているのだから、わざわざ失敗のリスクを負ってまでチャレンジしたくない”と考えてしまうのです。そうすると、プライドが高く、チャレンジを怖がる子に育ってしまいます」(成瀬氏)

METHOD 9 習慣づけしたいことは親子で一緒に

親が子供に新しい習慣を身につけさせたいというときは、いかに接していけばいいのだろうか。

「新しい習慣をつくるには、確固たる価値観に基づいて、決められた行動を、決められた時間に行うことが必要というのがシャハーからハーバードの学生へのメッセージでした。辛抱して21日間継続すれば、習慣として身につくという行動心理学も存在します」(成瀬氏)