METHOD 5 ポジティブな解釈を与える
子供が何か大きな失敗や挫折を経験して、うまく心の整理ができていないときもあるだろう。そんなとき、どのように対処したらよいのだろうか。
「小学生くらいの年齢だと、まだ心が十分に発達していないので、失敗や挫折を経験すると、うまく心の整理ができなくなってしまいます。必要以上に攻撃的になったり、自分を責めてしまうのもそのせいです」(成瀬氏)
そこで親がすべきことは、起きた出来事の解釈を変えるようなアドバイスを与えることだ。
例えば、成績が悪いことや恋人にふられたことで自分自身を責めるのか、それとも、その経験から何が学べるかに焦点を当てるのか。同じ出来事でも解釈によって意味が変わってくる。
ポジティブ心理学の理論からすると、親としては、スランプや不調に際したとき、本来は挫折をチャンスに変えるようにアドバイスをするのが理想だ。実際、シャハー氏は「物事のポジティブな面に焦点を当てることを学んだ人は、成功と失敗の両方から恩恵を得ることができる」と述べている。
「失敗について、“こういう見方もできるんじゃない?”とアドバイスすることで、子供は自分を客観的に見つめ直すことができるようになり、心にゆとりが生まれます。また、失敗や辛かったことを報告できるようになることで、失敗にも耐性がつきます」(成瀬氏)
METHOD 6 叱るときは主観的に
子供を叱らなくてはいけない、でも、どう伝えたらいいか。言い方が厳しすぎると、叱られたことばかりが強調されて、その理由が頭に残らない。かといって、理詰めにしてもわかってくれない。
「叱るときのポイントは“YOU”目線ではなく、“I”目線で叱ることです。“あなたがこういうことをしたから、こうなったでしょ”ではなく、“こういうことになって、お母さんは悲しいな”と素直に個人としての感想を伝えてあげてください。子供には客観的な情報を伝えるよりも、感情に訴えたほうがいい場合もあるのです」(成瀬氏)