METHOD 3 あえて辛い過去を振り返る

そのために、まずは親がシャハー氏の提案する次のワークをやってみてほしい。過去を捉えなおすという、自分に向き合うワークだ。「いままでの人生の出来事を、はじめは『あら探しの名人』として、次は『いいこと探しの名人』として書き出してみるというものです。やり方は、例えば、受験の不合格という辛い経験ではむしろ、いかに自分が謙虚になり、一生懸命勉強することの大切さを学んだかを書く、といったものです。わが身を振り返ることによって、子供や他人をより冷静に見られるようになります」(成瀬氏)

子供に言いたいことがあっても、まずは自分が子供の欠点ばかりに目が行っていないか、振り返ることが大事だそうだ。

METHOD 4 悩みを聞き出すには、散歩かドライブ中に

では、もし子供が悩んでいてその理由を教えてくれないときには、どんな対処法があるだろうか。さすがに「どうしたの?」と質問攻めにするわけにはいかないが、かといって放っておくわけにもいかないだろう。

「人はお互いに真正面から向き合うと、話しにくくなってしまいます。子供の言いたいことを引き出すには、子供を車の助手席などに座らせ、横並びになって話すこと。公園などを親子でのんびりとウオーキングしながら話してもいいでしょう」(成瀬氏)

横並びという圧迫感のない状況は心情の吐露しやすさにつながる。また、ウオーキングなど「運動しながら」という点からも、子供の悩み対策のワークとして有効な手段だという。

「シャハーは、運動には自己評価や思考力・免疫力を高めたり、よりよい睡眠を得られたりといった副次的な効果がある、と講義のなかで述べています。子供が精神的にくたびれているように見えたら、外へ連れ出していい空気を吸いながら一緒に歩く。週3日、各20分間のウオーキングが、シャハー氏が本来すすめるワークですが、たまに親子で散歩するのもれっきとしたワーク。五感を生かし、ただ歩く。子供の気分もリフレッシュするのではないでしょうか」(成瀬氏)