次に必要なのが、掴んだ情報に対して、今後の展開を多面的に考察できる柔軟な発想力と思考力。さらにそこから生まれた知見やアイデアをビジネス展開していくときに、果断な決断力と最後までやり抜く行動力が必要となる。

また、価値ある情報への感度を高めるためにはコミュニケーション力は欠かせない。コミュニケーションとは、独りよがりの思い込みで人と接することではない。相手の気持ちや立場を理解したうえで会話ができることである。今後は、そうした能力がますます求められる。

いま、お客様の海外進出が進んでおり、当社のビジネス領域も海外に拡大している。それにともない海外でのコミュニケーション力も重要になっている。当社でも若手を中心に全員に一定水準(TOEIC800点)の英語力を求めており、いずれ経営会議も英語でできるようにしたいと考えている。

語学力以上に外国人とのコミュニケーションで重要なのが、相手の国の文化や価値観に理解を示すこと、つまり世界の価値観の多様性を受け入れられる能力である。そしてもう1つ大事なのが、日本の歴史や文化や価値観を自分の言葉で語れる能力だ。自国の歴史や文化を語れない人は、海外の人と腹を割ってつきあうことはできないし、まして大事なビジネスを成功させることはできないだろう。

当社では海外で積極的に仕事をする意欲のある学生に対してグローバル採用枠を設けている。入社後、原則2年程度の基礎教育の終了後に随時海外に赴任してもらう。海外で働く人には、2~3年海外で暮らしたいという人ではなく、場合によってはその地で骨を埋めるぐらいの覚悟で行ってほしいと考えている。そうでないと、その土地のお客様とのつきあいを深めることも難しいし、大きなビジネスの成功も難しいからだ。