当社にはすでに外国人の常務執行役員がいるが、その次のステップとして外国人にも経営会議メンバーになってほしいし、海外拠点のスタッフを計画的に育成しマネジメント層を増やしていきたい。もはや、日本から赴任した社員が上位の役職に就き現地の人を雇うという時代ではない。日本から来た社員も現地のスタッフと十分なコミュニケーションを図りながらビジネスに取り組み、その成果を一緒に喜び合える人材でなければいけない。

多様な文化、価値観についていける能力は何も外国人とのコミュニケーションに限らない。人口減少と高齢化に向かっている日本では、今後、組織のマネジメントを取り巻く環境も大きく変わるだろう。そこでは女性の活躍も期待される。当社では女性支店長は珍しくないし女性の法人営業部長もいる。

そして年功序列も崩れてくる。年上の人が必ず上司になるわけではないし、中堅の管理職の部下に年上の人がいることも当たり前になる。マネジメントには、そうしたいろいろな人の意見に耳を傾け、組織をまとめ上げる能力がますます問われてくるだろう。

三井住友FG社長 宮田孝一
1953年、徳島県生まれ。徳島県立城南高校、東京大学法学部卒。76年、三井銀行入行。三井住友銀行にて市場資金部長、市場営業統括部長、常務執行役員などを経て、2009年4月から取締役兼専務執行役員。10年6月より三井住友フィナンシャルグループ取締役兼専務執行役員。11年4月より現職。
(溝上憲文=構成 小原孝博=撮影)
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