なぜ六本木ヒルズは店が探しづらいのか

森ビル社長 辻 慎吾氏

私は料理を趣味のひとつにしている。料理にたとえていえば、メニューから食事を選ぶだけの人に、優れた「都市(まち)づくり」はできない。

森ビルは「都市づくり」を手がける企業である。オフィスビル単独の「点的開発」から始まり、複数の敷地を合わせた「面的開発」、そして1986年に竣工したアークヒルズを契機に「都市づくり」へと事業を進めてきた。その根底にあるのが、森稔会長が提唱してきた「ヴァーティカル・ガーデンシティ」という思想である。

日本語に訳せば、「立体緑園都市」ということになる。都心の空と地下を超高度利用し、地表は全面的に緑に開放する。さらに、職、住、遊、商、学、文化などの都市機能を集積し、機能性の高いコンパクトシティをつくりあげるという発想だ。