宗像淳氏(Zen Startup)も、自社のブログで自分がビジネスを展開する分野の海外情報を紹介している。

「ニッチトップという言葉があるのですが、何かしらの分野で一番を目指すことは、企業のブランディングにおいても、個人のブランディングにおいても重要だと思っています。僕の場合は、海外のウェブサービスの情報収集では常にトップでありたいと思っています」

セルフブランディングのもう1つのポイント、自分のキャラクターの出し方についても横田氏からアドバイスがある。

「私が独立して最初のビジネスは、家の近所の喫茶店の方の紹介でした。『あんたが会いたいのなら紹介してあげてもいいよ』というような関係性ができていたんだと思います。そういう、素で接する人間関係が重要だと思います。とくに男性サラリーマンは、肩書や名刺やスーツに守られていて、社名しか印象に残らず、その人自身が見えない。あれはまるでモビルスーツです(笑)。脱いだほうがいいですね」

大島氏は「HPは堅めの文章で書く一方、ツイッターでは会ったことがない人にも自分の性格や雰囲気を伝えて、合いそうかどうか判断しやすいようにしている」と、ツールを使い分けている。ただし、フェイスブックやミクシィも含めて、「疲れた」「体調が悪い」などクライアントを不安にさせるようなネガティブな書き込みはしないようにしているという。

自分のキャラクターや想いをはっきりと出していけば、自然と人も集まる。

「プロジェクトを始めたり、知恵を借りたいときに、普通はまず自分の周辺にマッチする人がいるかどうかを考えると思います。セルフブランディングをはっきりさせていれば、それだけマッチする可能性も高まるので、チャンスが広がります。私は自分の目指したいこと、いまはどの段階にいるのかなどを語るようにしています。『この人とつながると何かが始まる』といったワクワク感を抱いてくれたら嬉しいですね」とはPrivate Cafe Cozzyの佐々木ユウコ氏。

横田氏によれば、自分ができることを、具体的に、わかりやすく表明することからセルフブランディングは始まるという。

「コツは、噛み砕いて説明することです。たとえば『私はイベントができます』といったときに、10人のイベントなのか、1000人規模のイベントなのか、台本まで書けるのか。そうしないと、周りもお願いしにくい。『手品で100人を30分惹きつけられます』でもいい。人とつながる切り口をうまくつくることが、セルフブランディングのポイントだと思います」

(向井 渉=撮影)
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