ブログやSNSなどのソーシャルメディアは、「インフラ」になりつつある。近い将来、電話やメールと同じく、使って当たり前のものになる。使うリスクより、使わないリスクのほうが大きい。達人たちはそう話した──。
「ツイッターがなければ、今の私はないでしょう」
2年前に大手出版社を辞め、現在は「コンテンツディレクター」などの肩書で複数の仕事をする安藤美冬さんはそう話す。
2年前、経済誌で特集が組まれると聞き、「自分を助けてくれるツールだ」と直観的に感じて、ツイッターを始め、2011年1月に独立を果たした。当初は時間を持てあましていたが、8月にITジャーナリストの佐々木俊尚さんから「いっさい営業活動せずにSNS経由で仕事を受注するフリーランスの女性」の1人として紹介され、注目が集まった。現在では取材や講演、PRなどの依頼が相次いでいる。
安藤さんは「100%戦略的にツイッターを始めた」という。
「毎月200人ずつフォロワーを増やすことが目標でした。フォロワーは読者で、自分は編集長。そう考えて、有益な情報発信を心がけました。キーワードは4つ。『ノマド』『フリーランス』『ソーシャルメディア』『セルフブランディング』。全員に届ける必要はない。誰に、どう見せるかが重要なんです」
ツイッターで「影響力のある個人」となるためには、まずは名前、プロフィール、アイコンの「3点セット」が重要だと、安藤さんは指摘する。名前は実名を公開すること。プロフィールは学歴や職歴、資格など客観的な事実を書くこと。そしてアイコンには顔写真や似顔絵など、一目で個性がわかるものを使う。食べ物やペットなど個性のない写真はNGだ。
安藤さんはツイッター以外にも、フェイスブック(FB)とブログも運用している。それぞれ、ツイッターは1日10~20回、FBは2~3日に1回、ブログは週に1回程度と、更新頻度を決めている。