男なら「プロの入居者」を目指せ!

浦田社長は、同じ金額を払うなら「プロの入居者」たれと言う。

「男性の入居者は2極化します。あらゆるサービスを使いたおし、女性をからかったり、スタッフをうまく動かして、払った分以上に満喫する人がプロ。閉じこもりがちで、文句ばかり言って、どんどん孤立するのがアマチュア」

お一人さまの男性なら、定年後早いうちに施設の見学に行き、情報を仕入れ、体力がある75歳前に入居してほしい。早く入居すれば、それだけ新しいコミュニティーに慣れるのも楽になる。

さらに社長の裏ワザ老後プランは「定年から年金支給開始までは、世話されるのではなく世話する側にまわる」というもの。つまり高齢者施設で働くのだ。

「たとえば夜間の当直のパートタイマーで、月10万円になる。うちのスタッフの最高齢は77歳。ただ、意識の変革は必要です。大企業の退職者でも、人に命令する側ではなくなる。『コーヒーメーカーの使い方を教えてほしい』という一言が言えず辞めた男性もいましたから」

結局、老後が楽しく豊かになるか、みじめになるかは、気の持ちよう1つなのだ。今回の取材では、どこでも「男性は孤立しがち」「SOSを出せない」「プライドの高い男性を外に引っ張り出すのが大変」という言葉を聞いた。

お一人さまの男性にとって、老後、一番大事なことは「女性とうまくやる」ことだ。男性同士はどうしてもライバル意識やプライドが邪魔をして、仲良くなれない。

ベストセラー『おひとりさまの老後』の著者で、東京大学名誉教授の上野千鶴子さんは、「男おばさん」として仲間に入れてもらえというが、総務省人口推計によると、11年現在で85歳以上の70%は女性。長生きすればするほど女性に囲まれて暮らすことになる。今から、女性と見れば、5歳の女の子にも80歳の老女にも、ドアを開け、椅子をひいてあげることを実践してほしい。

孤立するか、女性と仲良くなって人生最後のモテ期を楽しむか、2つに1つなのだから。

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