※本稿は、石井大貴『「目標」を「現実」に変えるたった3つのルール』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
“終わり”が見えて、初めてゴールの設定ができた
私は、10代の頃はまったく計画が立てられませんでした。たとえば、アスリートにとってオリンピックは一番目標とすべきことですが、それに向かって「今、自分が何をしなければいけないのか」を考えることができなかったのです。
むしろ、6歳でスケートを始めたときから、「試合で1位をとりたいから」というより、ただ単純に好きで続けていたら、だんだんと結果が出てきたという感じでした。ひとつずつ扉を開けていったら、次が見えてきたのです。
ところが、18歳のときの摂食障害で、一度、競技から離れ、復帰してから「フィギュアスケートの選手生命は長くない」と気づきました。そこで、「どんな自分でありたいか」「どういうキャリアで終えたいか」をリアルに考えられるようになりました。先が見えたときに、初めてゴールを設定することができたのです。
これ“必ず限りがある”人生においても一緒だと思います。未来をリアルに感じたとき、ようやく、見たくなかった自分、弱い自分に寄り添えるようになり、そこで“目標”というものをしっかり見据えられるようになるのではないでしょうか。
目の前の目標の扉をひとつずつ開いていくのと、ゴールを設定してから向かっていくのと、どちらも経験した私からすると、目標達成という意味では、1年でも、5年でも、10年でも、きちんとゴールを見据えて動いたほうが、実現はしやすいと思います。