AIを使いこなすために必要なものは何か。脳科学者の茂木健一郎さんは「質問力が備わっていないと、AIから望んだ回答を得ることはできない。これを磨くためには新聞よりも小説を読んで、ボキャブラリーを増やしたほうがいい」という――。
※本稿は、茂木健一郎『脳はAIにできないことをする 5つの力で人工知能を使いこなす』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
AI時代に必要な5つのスキル
これから本格的なAI時代を迎えるにあたって、どんな力が必要になり、また身につけておかないと生き残ることが難しくなるのかは、多くの人が知りたいことでしょう。
あらかじめ断っておきますが、それらは特別なことをして身につけるものではありません。AIがまだなかった時代にも、またAIが普及し始めている現代も、そしてこれから本格的にAIが普及する時代においても、必要なことです。その意味では、人間が生きていくために必要な力は、古今東西を通じて変わりません。
その必要な力はそれぞれが独立してはいますが、複雑に絡み合っています。どれか1つを身につければいいということではなくて、可能な限り、すべてを会得していったほうがいいでしょう。次の5つです。
・質問力
・ボキャブラリー
・判断力
・疑う力
・インテリジェンス
・ボキャブラリー
・判断力
・疑う力
・インテリジェンス
あるかないかで天と地ほどの差が付く能力
また学校教育で学べるものでもなく、実社会で仕事やさまざまな付き合いを通じて身につけていくものであり、どうすれば会得できるのかという正解やコツもありません。いろいろな人たちとの交流の中で、ときに失敗しながらも、身につけていくものです。おそらくAIに聞いても、身につけ方を教えてくれないでしょう。
なぜこの5つが必要なのかは、追々説明していきますが、どんなにAIが進化してもこれらを身につけているかいないかで、天と地ほどの差が生じてしまうと言っても、過言ではありません。身につければ、AIを使いこなせるようになるし、会得できなければAIの指示どおりに行動するだけになります。
果たして、あなたはどちらになるでしょうか。もちろん、前者になることを望んでいますが、次からは1つ1つ説明していきます。