目標からの距離でスケジュールは決まる
カヌー人生においての大目標を持つことが、日々のモチベーションを保ちます。目標から逆算することによって小さなプロセスが生まれ、それに緊張感を持って臨むことができます。
さらに大事なのが「自分」と他の選手、練習環境といった「周り」を客観視して、自分の感情抜きで冷静に分析すること。競技選手は自分を過大評価しがちです。フラットな目で目標に対して自分がどのくらいの距離にいるかを計算することで、スケジューリングがしっかりと決まります。
高校生のときからオリンピックを意識し始めて、「世界で活躍したい」という思いが強くなりました。でも、その頃は小学生が「プロ野球選手になりたい」と思うのと同じぐらいの意識。大きなビジョンではありましたが、そこへの距離感がわからず、具体的なスケジュールを立てることもできません。世界と自分がすごく近いような錯覚に陥り、油断して失敗するという経験もたくさんありました。未熟でしたね。国際大会を重ねるごとに、自分の実力や甘さ、世界の遠さというものを認識できるようになりました。