まず、大きく分けて不動産を買う人には2種類のタイプがあります。ひとつは自分のため、いわゆるマイホームを買おうとする人々。不動産業界では「実需」と呼んでいます。そしてもうひとつが投資・事業として不動産を購入する人々。しかし数の上では前者が圧倒的に多いので、同じような土地に、同じ築年、同じ面積の戸建てとビルが売りに出ていたとしても、競争原理が働いた結果、得てして実需用途である戸建てが割高、ビルは割安で流通するケースが多いのです。そしてこれこそが「ビルを狙いましょう!」というわれわれのスローガンの主たる理由。しかもビルは商業地にあるケースが多く、オフィス・店舗用途として貸せれば住宅用途よりも高い賃料を得ることも可能。「収益価値」の面でも良好な場合が多いのです。
以上は分かりやすい例ですが、不動産マーケットにはこれ以外にも、いろいろな側面で構造的な歪みが存在しています。そのため、冷静に分析してその歪みを利用し、人と違う意識・行動様式で逆に展開していくことで、結果的におトクな投資を実現できることが多いのです。そしてそんな事例を惜しげもなく公開してしまおうと考えているのが、皆さんが手にしているこの本なのです。
借金だって悪いことばかりじゃない。レバレッジのススメ
次に金融機関からの借り入れ、いわゆる「借金」について考えてみましょう。不動産の購入は多くの場合、銀行などからの融資に頼っています。実需の方がマイホームを購入する場合、借り入れの理由の多くは「自己資金だけでは足りないから」ですが、不動産投資をする人の場合、その理由の多くはズバリ「投資効率がいいから」。そう、実は借金も上手に使えば、オモロー不動産研究会が大好きな「おトク」となるのです。