人生最大の買い物には、多少の「頭金」と「努力」が必要
人生最大の買い物が、マイホームであることは周知の事実。金融広報中央委員会のデータによると、日本人の持ち家比率は70%以上あり、60代で約85%の人が家を持っているとか(『家計の金融行動に関する世論調査(2人以上世帯)』2012年)。大半の人が人生最大の買い物をする決断をどこかのタイミングでしているというワケだ。
折しも日本の景気回復への期待が高まり、建築資材、人件費などの上昇から、住宅価格の上昇が懸念されている昨今、「今こそマイホームを手に入れなければ、この先、家を持つのが難しくなる……」、「よい物件がなくならないうちに……」と焦る気持ちもわからなくはない。
マイホームを購入するためには、物件価格の一部を支払う「頭金」と、税金や手数料である「諸費用」は、今までの貯蓄から現金で払い出すことになる。住宅ローンはできるだけ頭金を入れ、借入金を極力少なくするのがベストだが、頭金が貯まるまでに何年もかかり、その間に物件価格やローン金利が上がってしまうと毎月の返済負担が大きくなり、ソンをしないとも限らない。また、頭金を貯めている間も家賃を払い、年齢も重ねていくので、いざ、住宅ローンを組む時、完済年齢が遅くなってしまうのも不安だろう。
しかし、人生最大の買い物をするためには、多少の「頭金」と「努力」が必要なのだ。頭金は物件価格の2割を入れることが理想とされている。この「頭金は2割」の根拠だが、かつては一般的な融資額の上限が物件価格の8割であったとか、「住居費は月収の25%以内」という計算からきているらしいが、これらの目安は、身の丈より高い物件を買って、無理な返済計画を立ててはならないという教えなのだろう。