さらには3000万円投資するなら3億円、3億円投資するなら30億円投資したほうが手元に残るキャッシュが比例して多くなるわけですから、私たちは「借金も悪いことばかりじゃない」と常々主張しているのです。また、私たちがレバレッジをかけることを肯定する理由に「手元の現金こそ最強」という考え方があります。現金というのは、トランプにおけるジョーカーのようなもので、いわば最強の切り札。今後積極的に不動産投資をしていきたいと考えるのでしたら、現金を手元に残しておいたほうが圧倒的に有利なのです。

というのも、金融機関から借り入れを利用して不動産を購入する際、金融機関は購入しようとする不動産のほか、借りる人の職業や年収(不動産や金融機関の用語で属性という)、そして資産をチェックします。資産とはその人が既に持っている不動産や現金、金融商品などのこと。しかし、金融機関にもよりますが、自己居住の不動産を担保にしてお金を借りようとする場合、その不動産価値の70%程度、賃貸物件(人に貸している状態)の場合は50%程度の価値としか見なしてはくれないパターンが多いのです。つまり、3000万円の価値のあるローン返済済みのマンションがあったとしても、自分で住んでいたら2100万円、第三者に貸していたら1500万円の価値しか認められないのです。ですが、現金を3000万円持っていれば、当然3000万円の価値として認められます。まさに現金最強!

また借り入れを利用した場合、「返済期間はできるだけ長く、毎月の返済額はなるべく少なく」がオモロー式不動産投資の基本。毎月の返済額が少なければ少ないほど、それだけ多くのキャッシュフローを手にできるからです。普通マイホームを買う人の多くは、返済期間が長ければそれだけ銀行に長く利息を払い続けることになるので、繰り上げ返済することを考えるもの。しかし現金重視の視点から、不動産投資については無理な繰り上げ返済はしなくてよいと私たちは思っています。それならば手元にたくさんのキャッシュフローが残ることに注力したいところ。それと心情的なものでもありますが、手元に現金があるのは何ものにも替えがたい安心があるもの。先の大地震のような突発的なことが生じた場合に頼りになるのはやはり現金だからです。