説明上手が使う「ことわざ」の効果は絶大

そこで、説明上手になるには、なるべくカタカナ語を避けて、「ことわざ」をうまく使いましょう。「ことわざですか?」と驚くかもしれませんが、効果は絶大です。

×「このプロジェクトは、スケーラビリティとサステナビリティを考慮に入れる必要があります。」

○「このプロジェクトは、先を見据えて、継続的に発展できるようにしなければなりません。急がば回れ、です。」
×「チームメンバー間のコミュニケーションとコラボレーションを促進するために、定期的なタッチポイントを設けましょう。」

○「チームメンバー同士の意思疎通と協力を深めるために、定期的に顔を合わせる機会を作りましょう。三人寄れば文殊の知恵、と言いますから。」

確かに、カタカナ語ならば端的にイメージが伝わりやすいと思うかもしれませんが、そのカタカナ語を相手も同じようなイメージで理解しているかはわかりません。

一方、ことわざは、慣用句でありつつ、その前後に別の表現が来やすいため、受け取る側も前後の文脈から意味を確認しやすい面があります。長く残る言葉には理由があるのです。

自分が思っていることを正確に伝えることに注意を払いましょう。

上手に説明できる人は、相手に誤解されないよう、カタカナ語の使用を極力避ける

遅刻したら端的に相手が聞きたいことをまとめて報告する

上手に説明できる人は現状から入る、
できない人は言い訳から入る。

あなたは新入社員で、始業の時間から30分遅れて、会社に到着したとします。

「なぜ、遅刻したんだ」と上司に問われたとき、どのように説明するでしょうか?

「実は今日、目覚ましが鳴らなかったんです。それで、家に出るのが遅くなり……申し訳ありません、遅刻してしまいました。」

もし、このように言い訳を伝えようと考えるとしたら、説明が下手と思われる可能性が高いので、違う言い方を考えることをオススメします。

上司からすれば、もちろん言い訳を聞きたいわけではありません。聞きたくもない話を聞かされるのはストレスしかなく、うんざりされる可能性があります。

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この場合、上司が聞きたいのは「遅刻の理由」と「今後遅刻しないための改善案」ではないでしょうか。

したがって、

「申し訳ありません、今日は家を出遅れて遅刻してしまいました。今後は余裕を持って行動し、遅刻のないようにいたします。」

このように、端的に相手が聞きたいことをまとめて報告することが適切です。