説明がうまい人はどこが違うのか。研修講師の深谷百合子さんは「何より大事なのは“説明の順番”だ。最初に『これからこんな話をします』という全体像を提示して、相手の頭の中に『受け皿』を作るといい」という――。
※本稿は、深谷百合子『賢い人のとにかく伝わる説明100式』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
最初に「なんの話をしようとしているか」を提示する
説明するとき、「何をどう説明するのか」、内容や手段を気にしがちです。でも、もっと大事なことがあります。それは「説明の順番」です。説明するときには、「これからこんな話をしますよ」という大まかな全体像を最初に示しましょう。
例えば、あなたが外出する際に、家族から急にこんな風に声をかけられたとします。
「牛肉200グラム買ってきてくれない?」
「あと、タマネギ、ニンジン、ジャガイモ、それぞれ1袋ずつ」
こちらの受け取る準備ができていないのに、突然いくつものボールを投げられたような感じがしませんか。でも、最初にこんなひと言があったらどうでしょうか。
「今日の夕食は肉ジャガにするから、材料を買ってきてくれない?」
情報の受け手であるあなたの頭の中に、「肉ジャガの材料」という受け皿ができるので、次の具体的な材料に関する情報を受け取りやすくなりますよね。さらには、「何の話をしようとしているのか」を知ることができると、説明を聞くときの「注意の向け方」も変わります。