なぜ新聞記事には見出しがついているのか

例えば、「肉ジャガを作るなら、しらたきは買わなくていいのかな」と、より一歩突っ込んで、相手の説明を聞くことができます。もし、献立がカレーライスなら、「ルーは買わなくていいのかな」と思うのではないでしょうか。

新聞やネットニュースでも、必ず「タイトル」や「見出し」があります。そのおかげで、私たちは本文を全部読まなくても、記事の大まかな内容を理解できます。また、自分にとって関心のある記事かどうかを判断することができています。

説明するときには、いきなり具体的な細かい話から始めるのではなく、これから伝えようとする話の全体像や目的を最初に伝えるようにしましょう。

最後に話の全体像をもう一度伝えると理解度が深まる

説明は「大から小」、つまり「全体像」から始め、そのあとで具体的な細かい説明をしましょうという話をしました。それだけでも、わかりやすい説明になりますが、聞き手の理解を一層深めるためのコツがあります。それは、最後にもう一度「全体像」を伝えることです。

最初に伝える「全体像」は、相手に「情報を受け取る受け皿」を作る目的があります。一方、最後に伝える「全体像」は、相手に「何を受け取ったのか」を確認してもらうことが目的です。

例えば、ある洋菓子店のシェフを務めるAさんについて説明する場合で考えてみましょう。

「Aさんは、地元産の材料を使うことにこだわり、地域の発展に貢献しています(全体像)。
例えば、地元の特産品である八丁味噌を使った洋菓子を作っています。また、使用している油は、地元の油脂メーカーから仕入れています。さらに、地元の郷土料理に模したお菓子が話題になっています(具体例)」

ここまででも、Aさんがどんなシェフなのかは伝わりますが、最後にもう一度全体像を加えてみるとどうでしょうか。

「Aさんは、地元産の材料を使うことにこだわり、地域の発展に貢献しています(全体像)。
例えば、地元の特産品である八丁味噌を使った洋菓子を作っています。また、使用している油は、地元の油脂メーカーから仕入れています。さらに、地元の郷土料理に模したお菓子が話題になっています(具体例)。
このように、Aさんは地元産の材料を使うことにこだわり、地域の発展に貢献しています(全体像)」

具体例のあとに、もう一度全体像を入れて話をまとめると、話の内容についての理解が深まります。また、どんな話だったのか、印象を強く残すこともできるのです。