「なぜそう思ったか」の根拠を後から提示すると納得感が増す

「どう思う?」と聞かれているのですから、「こう思う」と答えるのが先です。そのうえで、なぜそう思ったのか、理由となる「事実」を付け加えましょう。

「○○の件について、どう思う?」
「私はこう思います。なぜなら、以前にこんな事実があったからです」

このように答えたら、相手の質問に答えた形になっていて、話がかみ合いますね。しかも、「なぜなら」と理由が示されているので、納得感が増します。

特に、あなたが何らかの判断をする立場にいる場合、自分の意見だけを伝えるのではなく、その根拠となる事実もあわせて伝えましょう。「こうすればよい」と言うだけより、「なぜそう思ったのか」を伝えることで、相手の理解が深まったり、新たな気づきを与えたりすることができるからです。

「注意点が4つあります」最初に話のボリュームを示す

キャッチボールをするとき、相手の状況にお構いなくボールを投げたりしませんよね。相手がボールを受ける準備ができてから、ボールを投げるのではないでしょうか。

説明するときも同じです。説明を聞く体勢になってもらうことが大事です。

そのために、まず「これからこんな話をします」という全体像を示します。

さらに、よりしっかり受け止めてくれるように、やっておくといいことがあります。それは、話のボリュームを伝えておくことです。「いくつの内容を話すのか」を示しておくと、相手の頭の中に「受け皿」を作ることができます。

例えば、次のような説明は、ダラダラした感じがしませんか。

「保管上の注意点ですが、20℃以下の温度で保管してください。また、水がかからないようにしてください。それから、容器の蓋はしっかり閉めてください。あとは……」

話を聞かされている側になってみると、話の内容よりも、「この話はいつまで続くのか」というほうが気になって集中できなくなってしまいます。結局、「20℃以下とか、水がかからないようにというところまでは覚えているけれど、あとは何だったっけ?」というようなことになりかねません。

「保管上の注意点ですが、4つあります。1つめは、20℃以下の温度で保管すること。2つめは、水がかからないようにすること。3つめは、容器の蓋をしっかり閉めること。4つめは、……」

このように、最初に「4つあります」と伝えると、相手も4つの話を受け止める準備ができます。こうすることによって、相手は「今は4つのうちの3つめだな」というように、話を整理しながら聞くことができるようになります。