クリエイターが自信をもってバッターボックスに立てるように…
本論の最後に、大好きなテレ東の現場の頑張っているクリエイターたちにエールを送りたい。いまの現場は、最高にいい人材が揃っている。制作局は「伊藤P」で著名な伊藤隆行氏、報道局はテレビ東京アメリカの社長として活躍した小松澤恭子氏といった両局長のもと、利益を最優先する経営陣から日々番組制作費を削られながらも、奮闘している。
昔よりだいぶましにはなったが、いまだにテレ東の番組制作費は他局に比べて見劣りする。だが、それを感じさせないほどのクオリティの番組を“効率よく”“工夫して”作ることができるのが、テレ東の「強み」であったし、そのDNAはしっかりと受け継がれている。
「カネがなければ知恵を出せ」と私もAD時代に言われ続けてきたが、いまもその努力を惜しんでいない。そんなクリエイターたちには、信念を持って自分が「おもしろい」と思える番組を送り出していってほしい。そしてメディア人の一人として、「それでいいのか?」と社会や社内のものごとに問題意識を持ってほしい。会社は、クリエイターが自信をもってバッターボックスに立てるような環境作りをしてほしい。
さらなる提言は、私が「勘違いしている」と苦言を呈したプロパーの役員に対しておこないたい。頑張っている現場のために、上層部や経営陣との「パイプ役」となってほしい。言いにくいことを進言し、間違っていると思うことは「違う」と声をあげてほしい。そうすることで、必ず会社はよくなるはずだ。
あるテレ東の仲間がメールに書いてきた。
「この件で記事が出るたびに怒られるのはプロパーです」
そんな会社であってほしくはない。そう思うのは、私だけではないだろう。