3分間に41回も「えー」「えっと」

やってはいけない話し癖② 言いよどみ「一文を短く」を心がける

人前に立つと、開口一番「えー」と話し始める方がいます。「えー」「あー」「えっと」「あのー」など、言葉がスラスラと出ずに滞ったときに発する音のことを専門的にはフィラー(filler)と呼びます。これも悪癖のひとつです。聞き手にとってはノイズでしかない不要な言葉だからです。

この言いよどみのたちが悪い点は、自覚がない方が多いこと。あるクライアントは3分スピーチで「えー」「えっと」と言う言いよどみを41回口にしていました。4.5秒に一回「えー」と言っていた計算になります。

それでも本人は自覚がないのが、この言いよどみの困ったところ。聞き手は気になって話の内容に集中できなかったことでしょう。文字起こしを使ったトレーニングを実施したところ、「えー」「えっと」の部分に色をつけられた原稿を見てご本人も絶句しておられました。そして「これはひどい。絶対に直したい」と決意を新たになさったのです。

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口を閉じる意識

まずは、このように現実を直視し「やめよう」と本気で思うことが悪癖を断ち切るための第一歩です。言いよどみをなくすには、口を閉じること。

日本人は7割が口呼吸ともいわれています。口呼吸になってしまっている場合、口が薄く空いている状態が続きます。そのため次の言葉を考えながら話すと、「あー」という音が漏れてしまうのです。

話し方トレーニングでは、一文話し終える度にわざと口を強めにぎゅっと閉じることを意識します。口を閉じた状態からは、たとえ次に何を話そうか考えていたとしても言いよどみは起こりません。このトレーニングは一文を短く話すことにも効果があります。

「あー」「えー」と言いよどみながら一文だらだらと長く話すという方(多くの方はこの二つの悪癖を同時に行います)は、一度に直すチャンスです。