「潤い不足」のときの、中医学的養生法

「陰虚」は潤い不足ですから、発汗を促す辛いものは避けましょう。

逆に摂取したいのは、五味の「酸」に属すもの。酸っぱいものを想像すると唾液が出るように、酸味は体の中に潤いを生むと考えられています。

不足している「陰」を補う食材、「補陰ほいん食材」の摂取は、水よりも体液に変わりやすいため、効果的。れんこんや長いも、白ごま、豆腐、牛乳、ヨーグルトなど、全般的に白っぽいものが該当することが多いです。加えて、滋養強壮効果が高い、「甘」に属す食べ物も、同時に摂るとよいでしょう。

櫻井大典『こころゆるませ漢方養生』(扶桑社)

生活習慣では、過度な発汗を促すホットヨガや長風呂等を控えましょう。

また、不眠という現状が、実は「陰虚」を加速させていることも頭に入れておいてください。

陰に属する体液と血は、人間に必要で、活動するたびに消費するものですが、睡眠中は活動量がほとんどないため、水分の消費量は減って補給量が勝るのが正常です。けれど、不眠の場合、大事な補給時間に体が活動している。

通常、日中消耗した体液や血を夜間に補給するのに、眠れないために夜間も体内の潤いを消費し続け、ますます体は「陰虚」に傾いていくというわけです。

関連記事
「翌日早く起きるために早く寝る」は大間違い…かえって不眠につながる"避けるべき"就寝時間帯とは
「最低7時間睡眠が理想」は大ウソである…医師「自分に最適な睡眠時間を把握するたった1つの方法」
スポーツドリンクを飲むより効果的…「風呂上がりの水分+栄養補給」にピッタリな飲み物の名前
市販の睡眠薬よりも効果的…専門医が「ぐっすり眠れるようになる」と断言する"100円で買える最強食材"
「年を重ねるごとに睡眠が浅くなる」真の原因とは…医師が「安易に睡眠薬に頼るな」と警告する理由