欧米のエグゼクティブの習慣は理に適っている

さらには、有酸素運動で生まれた新しいニューロンが、創造的なワークをすることによって、しっかりと定着するという効果も表れたと考えられています。

運動しただけでは、せっかく生まれた新しいニューロンが、その後死んでいってしまう可能性があったところ、続けて行った創造的仕事によって、新たな脳細胞としての定着が図られたのです。

有酸素運動をした後に、創造的な仕事をする。欧米のエグゼクティブの多くが、朝一のジョギングの後に、アイデアワークなど、クリエイティブな仕事に取り掛かるというパターンは、こういった意味でもかなり理に適っています。

創造的な会議は午後イチにする

その他のアイデアとしては、午後の最初の仕事として、創造的な会議を設定して、昼休みのうちにジョギングなどの有酸素運動をしてから、その会議に臨むというやり方があります。

これにより、会議の生産性を上げると同時に、あなたの脳力を上げるという効果も期待できるのではないでしょうか?

写真=iStock.com/Rossella De Berti
有酸素運動の後にやるといい(※写真はイメージです)

「フィールドアスレチック」で脳内のBDNFが増加

次にご紹介したいのが、有酸素運動をした後に、複雑な動きやバランス感覚を要する運動を行う習慣です。

イリノイ大学の神経科学者のウィリアム・グリーノーの研究では、ラットを2つのグループに分け、1つのグループには、単純に走り続けることをさせ、もう1つのグループには、フィールドアスレチックのような複雑な運動や、バランスを保つ運動を続けさせました。

その結果、複雑な運動やバランスを保つ運動をさせていたラットは、脳内のBDNFがより増加したといいます。

複雑な動きやバランスを保つ運動は、ニューロンを広めるとともに、結合を強くするので、より複雑な動きなどをすることによって、新しくできるニューロンの数と結び付きを強化し、脳細胞としての定着を促します。