「惰眠を貪る」=睡眠は「だらしない」?
睡眠時間が短いほうが「真面目で勤勉な国」と思う人は、かなり時代に乗り遅れています。もはや、寝る間を惜しんで働くことが美徳とされる時代ではなく、睡眠不足が、生産性を低下させ、国民の健康を脅かしかねないことにもっと意識を向けるべきでしょう。
「惰眠を貪る」という睡眠を貶める言葉もあります。とかく睡眠は「だらしない」「なまけている」と捉える人がいまだに多いようです。
絵本『ウサギとカメ』では、足の速いウサギが寝ている間に、コツコツ歩いているカメに抜かれます。本来、カメは、ウサギと競っておらず、ゴールという目標だけを目指していたことを教える話ですが、幼いころに読んだこのお話を「惰眠を貪る」と誤って解釈している人もいるかもしれません。
睡眠における言説には、誤ったものや時代にそぐわないものが少なくありません。正しい理解で、睡眠に対する意識を高めていってください。