「政治業界・界隈の信頼つなぎ止めショー」の行方
立憲民主党も、自由民主党が昨年暮れからの裏金問題で揺れ、岸田文雄政権の支持率だけでなく自由民主党への党支持率も失う中で、その受け皿として大きく支持を伸ばして飛躍ができたのかと言われれば期待には程遠いところでとどまってしまった、というのは痛手であったろうと思います。というのも、自民支持が剥げたのでそのまま立憲支持に鞍替えしてくれるような単純な構造ではなく、自民支持者はまず自民党に失望して無党派になり、その無党派から有権者は選択としてまだマシな政党として立憲民主党を認識して支持をするようになる、という流れになると思われるからです。
今年7月の都知事選においても、立憲民主党からすれば切り札として見られていた蓮舫さんが、日本共産党からも熱い支持と運動を背に受けたもののパッとせず、2位でもダメで3位でした、みたいな状況になったのは象徴的です。これは、自民党に対する不信感もありながらも、立憲にも共産にも、いわゆる既存政党への失望感とあわせて、年老いた左翼くさい活動家的なムーブが、蓮舫さんといえど都民から大きな失望を呼んだのは間違いないところです。
いわば、時期的に自民党総裁選と被った立憲代表選は、お互いを映し鏡として国民が既存政党に対する信頼をいかにつなぎ止め、新しい顔や政策がどのように国民の希望やニーズにフィットするのかが問われる、ある種の「政治業界・界隈の信頼つなぎ止めショー」になっているのでしょう。
むしろ、自民党が低迷して大変なことになっても、日本国民には「あ、立憲民主党が政権を取れば世の中が良くなるのではないか」と思えるような代表選に仕上げていただければと心より願っています。