基本的な作業を手早くこなす技術は、逆に言えば転職先での「第一印象」を効果的に高めることにも繋がる。「ルーティンの仕事を早く終わらせられるからこそ、付加価値を生むための時間もつくることができる」と評価されるからだ。
そこで本書と併せて高橋社長が勧めるのが、リンク アンド モチベーション・小笹芳央社長による『モチベーション・マネジメント』。マネジメントの理論を詰め込んだ中間管理職向けの内容だが、どんな立場の人であっても、異なる組織で働き始める際に参考となるのではないか、というのがその理由である。
「新しい組織では自分が慣習的にやってきた経験を棚卸し、相手の手法や価値観に合わせ直すことが求められます。新しい上司の意向を素早く察知するためには、彼らが何を考えて指示を出しているかを知る必要がある。前者が手法の話だとすると、後者は心の変え方について、ということになるでしょう」
『道をひらく』(松下幸之助・著/PHP研究所)
「うまくいかないとき、迷いが増えたときに読むと、たくさんのヒントをもらえる本です」
『ビジョナリー・ピープル』
(ジェリー・ポラス、スチュワート・エメリー、マーク・トンプソン・著/英治出版)
「転職のお手伝いをするときに困るのはやりたいことがない方。成功者に学ぶことも必要です」
『モチベーション・マネジメント』(小笹芳央・著/PHP研究所)
「新しい上司の要求を理解できないと、関係性は悪化します。上司との理想の関係を見いだす本」
『なぜか、「仕事がうまくいく人」の習慣』(ケリー・グリーソン・著/PHP文庫)
「ずばり、時間短縮本です。実際その通りにやると、大概の人は仕事が早くなると思います」
『僕はこうやって11回転職に成功した』(山崎 元・著/文藝春秋)
「ただのジョブホッパーはダメ。転職をしても、それぞれの場所で情熱を費やすことが必要です」
※すべて雑誌掲載当時
1969年、大分県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、95年インテリジェンス入社。2008年12月に同社社長に就任。「今回選んだ5冊に共通するのは、『ちゃんと働け』って書いてあること。『うまくやれ』とは書いてないんです」。