自然の力で、ストレスを解消し老化も防止。気力と若々しさが復活

散歩をしながら日光を浴びると幸せホルモンのセロトニンが分泌されると紹介しました。太陽の光には、心身を活性化させる力があるといわれています。セロトニンの分泌もその一つですが、日の光はアンチエイジングに効果的です。

北欧では、冬の間の日照時間が4時間ほどと極端に短くなるのですが、この時期に、うつ状態に陥る人が続出します。やがて春が訪れて日照時間が長くなると、元気を取り戻す人が増えていくそうです。

また、日の光を浴びると体内でビタミンDの合成が進みます。ビタミンDは「カルシウムの運び屋」とも呼ばれるビタミンです。カルシウムは骨を強化し、骨粗鬆症のリスクが低くなりますが、そのカルシウムには精神を安定させる働きもあり、その意味でも高齢の方の健康維持やメンタルの安定に効果があるわけです。

日の光とともに、自然の働きで身体やメンタルに効果的なのが「森林浴」です。森や林には、確実に人の心を落ちつかせる効果があります。

和田秀樹『老けない習慣ベスト100』(総合法令出版)

森林浴の効用が発見されたのは、19世紀のドイツで、森に囲まれたサナトリウム(結核などの療養所)でしばらく過ごすと、軽い精神疾患が治癒するケースが多いことがわかったのです。

その後、「フィトンチッド」と呼ばれる香気成分が、副交感神経を刺激し、精神を安定させることがわかってきました。森の香りには、アロマテラピー以上に、メンタルを鎮静化させる作用があるのです。

森まで出かける時間や体力がないという人は、家庭菜園やガーデニングに取り組むといいでしょう。精神的に落ち込んでいるときでも、土いじりをすると、気持ちが和み、穏やかになれるものです。家庭菜園は、前頭葉を鍛え、感情の老化を予防することにも役立ちます。

関連記事
【第1回】焼肉は絶対片面ずつ焼き色をつけてはいけない…和田秀樹断言「ヨボヨボに老けない牛肉の食べ方」
男性は72.6歳、女性は75.3歳でやってくる…和田秀樹「ヨボヨボ老人と元気ハツラツ老人」を分ける決定的違い
筋トレで力を振り絞るよりずっと効果的…脳神経が活発化し、寝たきりも防げる1回10秒の簡単ストレッチ
毎朝食べるだけで脳と腸が整う…セロトニンを増やしてくれる「安い・簡単・持ち運べる」黄色い万能食材
「ごはんにみそ汁、納豆、漬けものが体によい」は大間違い…日本人がもっと積極的に食べるべき"健康食材"