健康的に体重を減らすためにはどうすればいいのか。ウォーキングスペシャリストの山口マユウさんは「人間はほかの動物と違って『直立二足歩行』ができるはずなのに、多くの人はそれができずに『動物歩き』になっている。健康になりたいと思ったら、食事制限の前に歩き方を見直してほしい」という――。

6万人以上の歩き方を見て感じていること

これまで20年にわたってウォーキングの指導をしてきましたが、6万人以上の歩き方を見て感じていることがあります。脚と脊椎を垂直に立てて歩く「直立二足歩行」ができるのが人間だけなのなら、きちんと歩けていない「動物歩き」の人がなんと多いのか、ということです。

「動物歩き」は3タイプに分かれます。

腰の反った反り腰と猫背で歩く「ペリカン」タイプは、接客業や人前に出る仕事の人に多いです。凛とした見た目を意識する一方で低姿勢も意識するせいかもしれません。

ペリカンタイプ
ペリカンタイプ(出典=『医者が絶賛する歩き方 やせる3拍子ウォーク』)

このタイプは歩く時に、歩隔(左右の足の間の幅)を開くことでバランスをとりながら進む傾向があります。反り腰のせいで腰痛、お腹ぽっこりに、肩を丸めて歩くせいで肩こりにもなりやすいです。

猫背のカーブが腰まで続き、上半身全体が丸まっているのは「ペンギン」タイプ。膝を曲げたまま狭い歩幅で、「顔から歩く」のが特徴です。デスクワークや年配の男性に多いのは、若い頃より脚力、背筋が弱り、上半身が丸まりやすいからでしょう。ペタペタと狭い歩幅で揺れながら歩くのが特徴で、首の痛みや肩こり、膝痛を抱えていることが多いタイプです。女性の場合、いわゆる貧乳、垂れ尻に悩む人が多いのも、この歩き方です。

ペンギンタイプ
ペンギンタイプ(出典=『医者が絶賛する歩き方 やせる3拍子ウォーク』)

骨盤が前傾しながら胸を張り、反り腰なのは「ゴリラ」タイプ。このタイプは足を上げずに歩くのが特徴で、歩幅ではなく歩隔(両足の間の横幅)が広がりやすい傾向があります。役職者や中間管理職に多い歩き方ですが、これは大きな会場で話す機会が多くなるため、良い姿勢を取ろうとするせいでしょう。一方で挨拶やデスクワークの機会も多く、背中が丸まりやすいのだと考えられます。

ゴリラタイプ

このタイプはヒールを履いて足速に歩く女性にも多く、腰痛に悩む人も多いです。また、あごが上がっているため、偉そうにしていると思われやすいので注意が必要です。

3つのタイプのうち、最も改善しやすいのはペンギンタイプです。全身を正面から見れば自分の姿勢に気づきやすいので、気づいたら胸を張る(胸筋を広げる)習慣をつけやすいからです。反対にゴリラタイプは、一見良い姿勢に見えることや腰痛があることから、直すのに時間がかかります。腹筋を鍛えながら改善するのがおすすめです。