健康維持のために効果的といわれているウォーキング。そのペースはどれくらいがいいのか。和田秀樹さんは「早歩きと寿命の関連性についての研究調査によると、自己申告で歩くのが速い人とゆっくりの人の寿命は男性で20歳以上、女性は15歳ほど違うという結果になった」という――。

※和田秀樹『老けない習慣ベスト100』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。

杖を持って歩いている老人の足元
写真=iStock.com/sibway
※写真はイメージです

運動習慣ならやはりウォーキングがおすすめ。まず500歩を継続目標に

健康維持のために効果的といわれているのがウォーキングです。基本的には“歩く”だけで、簡単かつ心拍数が上がって血流が良くなり、血糖値も下がり、内臓脂肪の燃焼や下半身の筋肉を鍛えられる等々の多くのメリットがあります。

「1日1万歩」という目標が知られていますが、これをクリアするのは至難のワザでしょう。そこでお伝えしたいのが、無理をして1万歩を目指す必要はないということです。それほど歩かなくても健康効果は十分得られるという研究が近年出ています。

アメリカの研究では、8000歩くらいまでは、歩けば歩くほど寿命が延びる傾向にあり、それ以上ではあまり変わらないという報告が出されています。

日本では、群馬県中之条町の高齢者5000人を対象に、15年にわたって生活行動データを集めた「中之条研究」が知られています。この研究によると、1日に20分間の早歩きウォーキングを数回行い、そのトータルを8000歩にするのがベストだと結論づけられています。

しかし、結局1日に8000歩も歩くのは難しそうと思う人もいるでしょう。

ポーランドのウッチ医科大学の研究では、1日に1000歩多く歩くだけで、何らかの原因で死亡するリスクが15%低下することが明らかになったそうです。1000歩が難しい場合は、500歩でも歩くと、心疾患の死亡リスクが7%下がるとのこと。まずは500歩、そして1000歩増やすことから始めてみてはいかがでしょうか。健康長寿を手に入れた人は、早死にする人と比べると、毎日歩いていることは確かなようです。

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