心や脳がリフレッシュ「のんびりお散歩」の長寿効果はあなどれない

前項まではウォーキング、そして早歩きについて紹介してきました。それとはほぼ逆ですが、より高齢の方へは、「のんびりお散歩」もおすすめしたいところです。

のんびりといっても、散歩は足腰を鍛えるだけでなく、心肺機能や代謝機能を高めるなど適度な運動になりますし、とくに晴れた日は、日光を浴びることができます。

高齢の方はカルシウム不足になりがちで骨がもろくなる“骨粗鬆症”などよく聞かれると思いますが、日光を浴びるとカルシウムの吸収率を上げるビタミンDが体内で生成されます。

散歩帰りにカルシウム豊富な食品を食べたりすると、よりカルシウム不足を解消でき、骨を強化しやすくなるわけです。散歩という運動も骨の強化には欠かせません。ビタミンDは脳の認知機能にも影響するので、日光を浴びる習慣は老後の生活でより重要になっていくでしょう。

またもうひとつ、日光を浴びると幸せホルモンのセロトニンが体内に分泌されます。

ウォーキングや話をするカップル
写真=iStock.com/filadendron
※写真はイメージです

お肉を食べる(たんぱく質を摂取する)と豊富になるセロトニンです。歳を重ねるごとにセロトニンの分泌量は減っていきますが、その対策として効果的なのが「たんぱく質の摂取量を増やすこと」と「日光を浴びること」なのです。セロトニンが分泌されると幸福感が増して、気持ちも晴れて明るくなるでしょう。そんな気持ちで、散歩道や公園などのさまざまな草木や花々を見て、季節の変化を楽しんだり、昨日までとは違う小さな変化など発見できれば楽しいものです。のんびり考え事をしながら歩いているうちに活性化された脳から素晴らしいアイデアが浮かんでくるかもしれませんよ。