早歩きの人はゆっくり歩く人よりも長生き⁉

歩くことの健康効果をいくつか紹介していますが、早歩きと寿命の関連性についての研究調査があるので紹介しましょう。

47万人以上を調べたという大規模な調査研究では、「歩くのが速い」と自己申告した男性の推定寿命は85.2〜86.8歳、女性は86.7〜87.8歳とされたそうです。

これに対して、「ゆっくり歩く」と答えた男性の推定寿命は64.8歳で、女性は72.4歳。男性では20歳以上、女性は15歳ほど寿命が違うという結果になっています。

別の研究で、65歳以上の男女約3万5000人を対象にした大規模な調査でも、同じような傾向が報告されています。男性の場合、秒速1.6m(時速5.76キロ)で歩く人の平均寿命は95歳以上と非常に長い。

一方、秒速0.8m(時速2.88キロ)なら平均寿命は約80歳と、15歳以上も短くなりました。速く歩く人は長く生き、ゆっくり歩く人は早死にするという傾向なのです。

杖を持って歩いている老人の足元
写真=iStock.com/seb_ra
※写真はイメージです

お茶の水女子大学の研究では、歩く習慣はコレステロールの数値にも影響を与えることがわかっています。1日30分以上、週に計2時間以上、早歩きウォーキングをしている人は、動脈硬化を抑える働きのあるHDL(善玉)コレステロールが増加したという結果が出ました。つまり、早歩きは心臓病や脳卒中のリスクが低下するということですが、寿命は長くなるかどうかはわかりません。

こうした早歩きと寿命の研究結果は数多く発表されています。ちょっと汗をかくくらいの早歩きウォーキングを習慣にすれば、健康効果を得られて、寿命が延びる傾向になるというわけです。