夏の夜は、エアコンを付けっぱなしにすべき

――暑い夜、エアコンは付けたままがいいのでしょうか。

タイマー設定だと、睡眠中に暑苦しくて起きてしまうのでダメです。たとえ起きなくても、エアコンなしでは睡眠の質が悪化します。朝までつけっぱなしで寝てください。

室温は実測値で26~27度を超えると暑苦しく感じると思います。タオルケットなど、薄手の掛け寝具をかけてちょうどいい室温に設定してください。起きた時に、パジャマが汗ばんでいる場合は室内が暑すぎるので、必ずエアコンを付けて寝てください。

私たちは眠っている間も、無意識のうちに手足を寝具の外に出したり引っ込めたりして、体温調節をしています。掛け寝具が無いと、この体温調節ができなくなるので、必ず何かかけて寝ましょう。何もかけずに寝るのが快適という人は、部屋が暑すぎると思ってください。

寝室だけでなくリビングルームの照明も重要

――柳沢教授も実践している、おすすめの快眠方法を教えてください。

朝から昼の時間帯に、屋外を見て屋外の光を目に入れることです。光そのものに覚醒作用があるので、強い光を目に入れるだけで、テンションが上がって目覚めます。日が暮れてから就寝時刻までの間は、その逆で強い光を目に入れないことです。

寝室だけでなく、夕方から夜にかけて過ごすリビングルームやダイニングルームの環境も重要です。照明は薄暗くして、100ルクス未満、50ルクスもあれば十分です。外から帰ってきたときに薄暗いなと感じる明るさです。日本の住宅は明るすぎるので、雰囲気のいいレストランやホテルの部屋、北欧の間接照明を意識して、部屋を暗くしましょう。

写真=iStock.com/Winxclub
※写真はイメージです

寝る時は、真っ暗が基本です。夏は日が早く明けるので、遮光カーテンを利用して早朝覚醒しないようにしましょう。

特に、20歳から30歳までは夜型の睡眠パターンなのですが、夜に明るい照明を目に入れると、体内時計が遅れて眠くならず、さらにどんどん夜型になっていくので注意してください。

(聞き手・構成=ライター・中沢弘子)
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