[習慣3]その場で〈すぐに〉ほめる

子どもにポジティブなほめ言葉をかけると、前頭前野が非常に強く反応します。

つまり、不安やごほうびなどではなく、「親のほめ言葉」こそが、子どものやる気に火をつける効果が高いということです。

川島隆太『脳科学研究がつきとめた「頭のよい子」を育てるすごい習慣』(プレジデント社)

ただし、ほめるのにはコツがあります。1つは、「その場ですぐにほめること」です。

子どもが宿題のプリントを手に、「ほら、この問題は難しかったけれど、すぐにわかったよ。マルをつけて!」と言ってきたとしましょう。

そのときにちょうど掃除機をかけていたり、料理をしていたりすると、「終わるまでちょっと待っててね」と言ってしまいがちですが、それはNG。家事が終わってからほめたとしても、子どものやる気には火がつきません。

子どもがプリントを持ってきたときに、手を止めてしっかり向き合い、正解した問題に大きくマルをつけながら、「よくできたね、いつもがんばっているね」と“すぐにほめる”のが、正解です。

子どもの前頭前野を強く刺激するには、「即時性」が非常に重要なのです。とにかく「その場で」「すぐに」ほめることを大切にしてください。

[習慣4]結果ではなく、プロセスをほめる

学力を向上させるためには、子どもの「内発的意欲」が大切です。

なぜなら、自分の内側から湧き出てくる「目標を達成したい」「知りたいから調べたい」「知らないことがわかるのは楽しい」といった気持ちが、子どもが学習をするうえで、強烈なモチベーションになるからです。

対して、「叱られたくないから」「ごほうびをもらえるから」「人からすごいと言われたいから」というのは、「外発的意欲」です。

私たちの調査によると、内発的意欲がある小中学生と、外発的意欲がある小中学生を比較したとき、より学力が高いのは、やはり内発的意欲があるグループでした。

そのため、テストでよい点をとってきた子どもをほめるときに「いい点ですごいね」と結果をほめると、外発的意欲をかきたてることになってしまい、学力アップどころか逆効果になることも。

内発的意欲を高めるためには「毎日がんばっていたもんね」「できない問題も何度もやり直したからだね、すごいね」と、子どもがやるべきことを行ったプロセスに絞って、具体的にほめることが重要です。