やってはいけないNG習慣④

お腹いっぱいまで食べる・飲む

食事の時間だけでなく、食事の量も脳にとっては重要です。お腹いっぱいの状態よりも、少し空腹を感じているときのほうが、仕事や勉強の能率が上がる体験をしたことはありませんか。

食べすぎや飲みすぎでお腹がいっぱいになると、脳に血流が回っていかず、イライラしたり気が散ったりして、脳の働きが衰えます。

甘いものの食べすぎも脳にはNGです。砂糖を摂取すると、脳内に「ドーパミン」が分泌されます。ドーパミンは、幸福感を高めたり、やる気を促したりする働きのあるホルモンですが、砂糖のとりすぎでドーパミンが過剰に分泌されて中毒になり、やめられなくなることもあります。

ただし、砂糖には脳をリラックスさせる効果もあります。長時間同じ仕事をした後にアメを1個なめるなど、脳の切り替えのために上手に使うといいでしょう。

やってはいけないNG習慣⑤

口を開けて呼吸する

人は呼吸をして生きていますが、呼吸はただ息を吸って吐けばいいというものではありません。

加藤俊徳『1万人の脳を見た名医が教える 好奇心脳』(プレジデント社)

「酸素不足」の原因の1つに、「口呼吸」があります。口呼吸は、鼻呼吸に比べて1回の酸素の吸入量が低下し、二酸化炭素の排出量は多くなります。その結果、全身への酸素の供給量が少なくなって、脳だけでなく、全身の不調を引き起こします。また、睡眠障害の原因になることもあります。

口呼吸に加えて長時間マスクをすれば、よりいっそう、脳が低酸素状態になるのは当たり前ですね。

口呼吸を自覚して、鼻呼吸にするために口にテープを貼って寝ようとする人がいますが、いきなりこれをやるのは自殺行為のようなことにもなりかねません。なにしろ鼻呼吸ができないために、口を開いているのですから。

無理をすることなく、徐々に、鼻呼吸に慣れるように意識していきましょう。

その際、口を閉じていると息苦しくなって90秒も我慢できない、口を閉じて片方の鼻腔を押さえて、他方の鼻だけで息を吸うときに引っ掛かる、などの自覚症状がある人は、鼻中隔弯曲症びちゅうかくわんきょくしょう肥厚性ひこうせい鼻炎のために、鼻腔自体が狭くなって鼻呼吸ができていない可能性があります。

一度専門医に相談してみるといいでしょう。