摂取基準に隠された「厚生労働省の本音」

ですから、厚生労働省による日本人の食事摂取基準をよく読むと、次のような意図が隠れているような気がします。

「本当はWHOの掲げる1日5g未満にすることが望ましいけれど、日本の実際の食生活からするとこの目標はハードルが高すぎるため、いきなりこの目標を掲げて減塩を呼びかけても、国民はついてこられない。そこで現実的な実施可能性を考えて、今は男性が男性7.5g未満、女性6.5g未満にしている」

塩分は自覚のないまま塩分を摂取している

では、ここでクイズを出します。自分自身では塩分を摂っている自覚がなくても、加工されている食品の中にすでにかなりの量が入ってしまっているという自覚を持っていただくために、こんな問題を用意しました。

Q 「『アップルパイ1切れ』と『スモークサーモン3切れ』。食塩含有量が多いのは、さてどちらでしょうか?」

写真=iStock.com/margouillatphotos
実は「スモークサーモン3切れ」より塩分が多い(※写真はイメージです)

こう聞かれたらきっと、「スモークサーモンのほうがしょっぱいし多いように見えるけど、実はアップルパイなんでしょ?」と言う方が大多数かもしれません。

そうなんです、実はこの場合、アップルパイ1切れに含まれる食塩量が1.3gであるのに対して、スモークサーモン3切れの食塩量は0.8gなのです。

結構差があって驚きませんか? これが一見しょっぱそうかどうかなどのイメージに惑わされてしまう食塩摂取量のカラクリなのです。