精神科の診察で必ず聞くのは「睡眠と食欲」

(4)睡眠・食欲が不安定になる

実は精神科の診察で、どんな病気であっても重視することが睡眠と食欲です。精神的な不調は睡眠の不安定さや食欲の低下、あるいは過食などにつながります。精神科では「日常生活に支障が出ていないかどうか」が大切なポイントですから、日常生活の基本のキである睡眠と食事は特に重要視されるのです。

睡眠の不調は様々な形で出ます。通常の状態では、疲れていたら純粋によく眠れるはずです。しかし「いっぱいいっぱい」になるとこうはうまくいきません。疲れているはずなのに、なんだか色々考えて寝つけない。寝ついたとしても変な時間に起きてしまう。なんだか眠りが浅くてしっかり寝た感じがしない。

こういった現象が起きはじめたら、「いっぱいいっぱい」、しかもかなりシビアな状況になっていると考えていいと思います。

また食欲が不安定になることもあります。普通に食べているつもりなのに、気がついたら痩せてきている。あまりおなかが空くと感じなくなってきた。なんとなく吐き気がして食べられない。こんな感じに「食べられない」症状がでてくることもありますが、逆もあります。

妙におなかが空いてついつい過食するようになった。食べることに逃げるようになった。体重が急激に増えてきた。お酒を飲む人なら、飲酒量が増えてくるのも「いっぱいいっぱい」になると見られることです。

1時間に数分、情報を遮断して休憩する

「いっぱいいっぱい」になったときの対応は、もちろん仕事や勉強などの作業量を減らして余裕をつくることです。しかし、それができればいいのですが、簡単にはできないこともあるでしょう。締め切り間近だったり、テスト期間中だったり、そんなに簡単にやることを減らせない時期もあるでしょう。ではそんなときは一体どうすればよいのでしょうか。

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一番簡単な方法は、こまめに休憩をとる方法です。一時間にほんの数分でもいいので、休憩をとる。その休憩のコツですが「情報を遮断する」ことを意識してみてください。

脳はたくさんの作業を行っていますが、その方法は脳に入ってくる情報の処理です。これが多くなりすぎることで「いっぱいいっぱい」の弊害が起きてくるわけです。そんなときは、脳に入ってくる情報を遮断すればいいのです。

なぜこまめにとるかというと、脳は作業の量の多さより、作業量の密度の高さで疲弊します。またパソコンの例を出して恐縮ですが、たとえば動画の処理、インターネットサーフィン、音楽再生など複数の仕事を同時にさせるとフリーズしやすくなります。でも、一つずつの作業を別々に行えば、同じ作業量をさせてもフリーズはしにくくなります。