自分に必要な老後資金を計算してみよう

自分にとって必要な老後資金は、以下の方法で見積もることができます。

用意しておきたい老後資金=「老後の年間不足額(老後の年間支出-老後の年間収入)」×「老後の年数」+「医療費・介護費(1人あたり500万円)」

2023年の総務省「家計調査」のデータから、70~74歳無職世帯の支出合計は、50代勤労世帯の支出合計の約75%となっています。例年、多少前後はありますが、老後の生活費は50代の生活費の7割ほどです。よって、年間支出は「現在の年間支出の7割」として試算します。

老後の年金額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を見ればわかります。そして、老後の年間支出から老後の年間収入を引くことで、老後の年間不足額がわかります。これに老後の年数をかけると、生活費として最低限必要な老後資金の金額がわかります。

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年金だけで暮らすことも可能

さらにこの金額に、もしもに備えるお金として医療費・介護費(1人あたり500万円)を加えれば、用意しておきたい老後資金額がわかります。人によって必要な老後資金額は異なりますが、おおよそ1000万~2000万円が多いのではと予想されます。

では、老後資金が1000万~2000万円あれば、絶対に安心できるのかというと、また別の話です。というのも、老後資金はいくらあっても不安は尽きないからです。

とはいえ、自分にとって必要な老後資金を見える化し、そのお金を準備できれば、過度な不安からは解放されるとは思います。都心では厳しいかもしれませんが、年金だけで暮らそうと思えば、意外と暮らせます。まずは安心してください。

ただ、豊かな老後を送りたいなら、別の話。そのためには早いうちから資産形成が必要です。どのように資産形成していくのか、順次解説していきます。