運用利回りの目安はどう設定すればいいか

運用利回りと言われても、どの金融商品に投資をすると、どのくらいの運用利回りが得られるのかイメージがわきにくいかもしれません。ここまでに世界経済は人口増大とともに今後も拡大するので、株式市場も成長していくという話をしました。

IMFが半年に1度発表している「世界経済見通し(World Economic Outlook)」(2024年4月)によると、リーマンショックのあった2009年やコロナショックのあった2020年などは一時的に成長が鈍化していますが、それ以外の年を見ると、世界経済はおおむね年3~4%程度ずつ経済成長しています。

フランスの経済学者トマ・ピケティ氏は著書『21世紀の資本』の中で過去200年以上のデータ分析の結果「r(投資のリターン)>g(経済成長率)」という不等式が成り立つことを発表しました。

つまり、全世界に投資することで少なくとも年3~4%を超えて、投資のリターンが得られることを示したわけです。もちろん、過去データの研究なので、将来も必ずこうなるという保証はありませんが、全世界に投資することで少なくとも年3~4%を超えて、投資のリターンが得られる可能性はきわめて高いといえます。

全世界株式型インデックス投資なら年平均7%超の利回りも

投資信託の中には、全世界の株式に投資するインデックスファンドがありますが、実際、過去30年のパフォーマンスは年7%を超えています。

これから先も年7%が保証されているわけではないですが、世界の経済成長の恩恵を受けながら、年5%超のリターンを狙える可能性は高いと言えるでしょう。

もうひとつ、前述のGPIFの運用成績にも触れておきます。

GPIFが運用を開始したのは2001年度のこと。それから二十余年たった2023年度末までの収益率は年4.36%、収益額は約154兆円、そして運用資産額は約246兆円にもなっています。国内株式・国内債券・外国株式・外国債券の4つの資産に25%ずつ投資すれば、年3~4%の運用利回りを目指すことが可能だということです。

どんな投資をすると、どのくらいの運用利回りが得られるのかイメージがわきましたでしょうか。