みどりの窓口に行かなくても済む5事例

次は各種券売機のなかでも最も機能が充実した「指定席券売機」で取り扱い可能な事例、言い換えればみどりの窓口に行かなくても済む事例を紹介しよう。JR東日本によると次の5事例だ。

1.新幹線や在来線特急列車の指定席特急券の発売
2.定期券の新規/継続発売
3.株主優待割引きっぷの発売
4.えきねっと等でご予約された乗車券類の受け取り
5.一部乗車券類の払いもどし 等

JR東日本は「指定席券売機でできること」と題したWebサイトを用意して告知に努めている。それでは各事例を補足していこう。

事例1では乗車日、区間、金額が同じであれば指定席の変更もできる。

「一部の新幹線特急券では乗車日や区間の変更も可能」というのがややこしい限りだ。基本的に乗車日、区間、金額のいずれかが変わるときはみどりの窓口に赴いたほうがよい。

事例2では、カードタイプのSuicaまたは磁気タイプの通学定期券を新規に購入する場合は通学証明書または通学定期券購入兼用証明書を係員に提示する必要がある。

12歳未満または小学生のこども用の定期券は通学、通勤とも新規はもちろん、継続時にもみどりの窓口に赴いてこどもであることを示す証明書を提示しなくてはならない(※1 今年4月からの変更点については文末に記載した)

新幹線の運休時の払い戻しのやり方

事例5は注意が必要だ。「一部乗車券類の払いもどしは可能」としながらも、先に示したJR東日本の「指定席券売機でできること」では、「払いもどしできない事例」が多数載っている。

主なものを示すと、乗車日当日の乗車券、在来線の特急券など、ジパング倶楽部などの割引きっぷ、運休・事故等により払いもどしの対象となったきっぷだ。

最後の事例(運休・事故等により……)は実は「指定席券売機」でも対応してくれるのだが、本来手数料なしで済むところ、規定の手数料(最低220円、最高券面金額の30%)を取られてしまうので、不可能という扱いとしている。

蛇足ながら、払いもどしできる期間は長く、運休が発生した日の翌日から数えて1年以内となっている。7月22日に発生した東海道新幹線の運休時のように、その当日やその翌日に生じた、みどりの窓口の長い長い列に並ばずに払いもどしできるということだ。

※1 実は今年の4月1日から通学証明書に関する要件が緩和され、モバイルSuicaタイプの通学定期券であればアプリ上で通学証明書等の画像をアップロードして購入できるようになった。しかも、通学証明書等の画像のアップロードは入学時だけでよい。
モバイルSuicaでの通学定期券の購入方法

カードタイプのSuicaや磁気タイプの通学定期券もネットde定期と言ってインターネット上で申し込み、駅の指定席券売機で受け取り可能なサービスがあり、通学証明書等の提示はやはり入学時だけで購入できる。けれども、なぜか通学証明書等の提示は申し込みの際ではなく、受け取りの際となっているため、新規購入時だけはみどりの窓口に行かないと受け取れない。
ネットde定期