お金についてはオープンかつポジティブに話す
また、子どもに対してお金の話題をタブーにせず、オープンでポジティブな対話を心がけるとよいでしょう。
たとえば、銀行員だった私の父は、家族団らんの時間に、銀行預金の利率や預金の税制優遇の話をしていました。また、小学生の頃にお年玉を銀行に預けに行く経験もさせてくれました。今振り返ると、自分の金銭感覚やマネー習慣は、親とのコミュニケーションや貯金体験が元になっていると感じています。
お金の教育は、早ければ早いほどよいという訳ではありません。未就学児に現金を与えたら、お金に執着し過ぎて兄弟げんかになったり、お手伝いのたびに報酬を与えていたら、よい行いをすれば誰でもお金をくれると勘違いする子もいるようです。
8歳前後から「お金の教育」スタート
子どもへのお金の教育は、モデリング期に入る8歳前後からでよいでしょう。まずは、少額のお小遣いを与えて管理させます。いきなり自分で管理するのは難しいので、①買う目的をはっきりさせる、②必要なものとほしいものを区別する、③おこづかい帳をつけるなど、ステップを踏んで親がサポートするとよいですね。
次にお金を貯めるには、まず貯金をしてから残ったお金を使う「先取り貯蓄」の概念を身につけたいものです。
高度なお金の教育については、無理に家庭で行わなくても、専門家に任せればよいでしょう。というのも、子どもは小学校から高校まで学校でお金の教育を受ける機会があるからです。
一方、肝心の大人は、なかなか金融教育を受ける機会がありません。書籍やセミナーで勉強したり、FPなどの専門家に相談したりする方法もありますが、多くの人にとってはハードルが高いかもしれません。J-FLEC(金融経済教育推進機構)が4月に設立され、8月から本格始動します。大人も勤務先で気軽に金融教育を受ける機会が増えるとよいですね。