65歳からもらえる公的年金に加え、大企業に勤めた経験があるなら上乗せされる年金がある。ジャーナリストの荻原博子さんは「たった1カ月働いただけでももらい続けることができるのに、110万人超がもらい忘れている」という――。
加入歴があれば1カ月の勤めでも一生もらえる
過去に会社勤めをした経験があれば、もしかしたらもらい忘れている年金があるかもしれません。
それは、「企業年金」です。
企業年金というのは、企業が独自に公的年金に上乗せしている年金なので、会社によってあるところとないところがありますが、大きな会社ならほとんどのところにこの制度があるのではないでしょうか。
公的年金は、10年以上加入していないともらえません。
会社員だと、65歳からの年金をもらう前に「特別支給の老齢厚生年金」がもらえる人がいますが、これは、公的年金に10年以上加入し、さらに会社に1年以上勤めて厚生年金に加入していなくてはもらえません。
ところが、「企業年金」は、勤めていた会社に企業年金の制度があって在籍中にこれに加入していたら、たとえ1カ月の加入だったとしても、一生涯年金をもらえる可能性があるのです。
ところが、それを知らなかったり、忘れていたりしてもらっていない人がとても多く、なんと「企業年金」が未請求のままになっている人が、2024年3月末時点で110万人を超えています。